たこつぼ心筋症の心電図変化と心筋梗塞との鑑別方法について解説!
たこつぼ心筋症とは?
たこつぼ心筋症とは強い精神的・肉体的ストレスの後に動悸や呼吸困難、嘔気といった狭心症や心筋梗塞とよく似た症状で発症する病気です。
病因の詳細は不明ですが突然発生する強いストレスにより、交感神経が活性化し血中に大量のカテコラミン(アドレナリン、ノルアドレナリン)が放出されて心臓の筋肉が障害されるためではないかと考えられています。
診断を確定するためには心臓カテーテル検査が必要となります。心臓に栄養を補給する冠状動脈で明らかな異常がないにも関わらず、上図のように左心室の造影検査で収縮期に心臓の動きが局所的に悪くなり、その形態がたこつぼに似ていることから「たこつぼ心筋症」と名前が付きました。
たこつぼ心筋症の症状
- 胸苦
- 動悸
- 呼吸困難など
たこつぼ心筋症の治療
たこつぼ心筋症事態に特異的な治療法はなく、通常は時間の経過と共に自然に治っていくのを待ちます。ただし稀に急性心不全、左室流出路狭窄、心室内血栓、全身の血栓塞栓、房室ブロックや心室頻拍(VT)などの不整脈、心破裂などの合併症を起こす場合があります。
合併症が発生した場合はそれらに対する対症療法を行います。
たこつぼ心筋症の波形のポイント
- 前胸部誘導におけるST上昇、巨大陰性T波
- 稀にQT間隔の延長を伴う一過性のQ波を形成
たこつぼ心筋症と急性心筋梗塞の鑑別とは?
たこつぼ心筋症と急性心筋梗塞はいずれもST上昇を認める疾患で、確定診断のためには心臓カテーテル検査が必要になりますが、必ずしもすべての患者に心臓カテーテル検査ができるわけではないので心電図で鑑別することも大切になります。
一部の報告ではたこつぼ心筋症と急性心筋梗塞の鑑別としてたこつぼ心筋症は急性心筋梗塞に比べて1)aVRでST低下がよりみられる、2)V1でST上昇がみられない この2つの所見が認められれば感度91%、特異度96%でたこつぼ心筋症であるという報告があります。
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