カルシウムの電解質異常で起こるの心電図変化の特徴とは?

カルシウムの電解質異常で起こるの心電図変化の特徴とは?

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電解質異常が心電図に与えるとは?心電図でわかる電解質異常とは?

電解質は体内にあるミネラルのことを指します。体内にはナトリウム、カリウム、カルシウム、リンなどさまざまな電解質が存在しています。

体内の電解質には適切な濃度が決まっており、増えすぎても減りすぎても生命活動に影響を及ぼし体調不良が生じます。通常は腎臓を中心に電解質の適切な濃度を維持していますが、腎臓機能の低下(腎不全)やホルモン異常などで電解質の濃度に異常をきたすことがあります。

電解質異常の中で心電図に影響が大きく、日常的に問題となる代表的な電解質としてカリウム(K)カルシウム(Ca)が挙げられます。

今回はQT間隔に波形変化が生じるカルシウム(Ca)について焦点を当てて解説していきたいと思います。

高カルシウム血症とは?

高カルシウム血症とは血性カルシウム濃度が11㎎/dlより高い数値の場合を指します。高カルシウム血症は通常、過剰な骨吸収に起因します。様々な原因がありますが副甲状腺機能亢進症によるものが多いといわれています。

高カルシウム血症の症状

  • 倦怠感
  • 食欲不振
  • 嘔気
  • 多尿など

軽度(11~12㎎/dl以下)の場合は症状があらわれないこともあります。しかし、急速に病気が進行し高度のカルシウム血症(15㎎/dl以上)に至ると意識障害や昏睡などをともなった生命に関わる状態(高カルシウム血症クリーゼ)になるため注意が必要。

高カルシウム血症クリーゼとは?

高カルシウム血症クリーゼとは電解質異常により重篤な状態となり、生命の危機を伴う状態をいいます。原発性副甲状腺機能亢進症によるものが多いと言われています。

診断基準は①血性カルシウム値が15㎎/dl以上に急増、②乏尿または尿素窒素の上昇、③急性消化器、循環器および中枢神経系の症状の出現の全3項目を満たすことで診断されます。

高カルシウム血症の波形のポイント

  1. QT短縮(ST短縮によるもの)

低カルシウム血症とは?

低カルシウム血症とは血性カルシウム濃度が8㎎/dlより低い数値の場合を指します。低カルシウム血症は様々な原因がありますが、副甲状腺機能低下症偽性副甲状腺機能低下症ビタミンD欠乏症腎不全など多いといわれています。

低カルシウム血症の症状

 手足のこむら返り
 しびれ
 テタニー症状
  1)痙攣発作
  2)トルソー徴候(助産師手位)
  3)クボステック徴候(顔面筋の不随意収縮)

トルソー徴候の図 画像引用:http://iryoukankeisikaku.com/blog-entry-1912.html
クボステック徴候の図 画像引用:https://www.nagasaki-clinic.com/hypopara/

低カルシウム血症の波形のポイント

  • QT延長(ST延長によるもの)
  • 陰性T波、平低T波

QT延長はR on Tが起きた場合、トルサード・ド・ポアンツから心室細動に移行しやすいため注意が必要です。

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