NSVT(非持続性心室頻拍)とVT(心室頻拍)の違いとは?

NSVT(非持続性心室頻拍)とVT(心室頻拍)の違いとは?

NSVTとは非持続性心室頻拍のことを指します。このサイトではNSVTの波形のポイント、SVTやショートランとの違いについて解説していきます。

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NSVTとは?

心室頻拍(VT)は持続時間によって大きくVTとNSVTの2つに分類することができます。心室頻拍(VT)が30秒以上持続するか、血行動態が悪化し停止処置を要するものを持続性心室頻拍( Ventricular Tachycardia:VT)と呼びます。

それに対して心室頻拍(VT)が30秒以内に自然に停止するものを非持続性心室頻拍(Nonsustained Ventricular Tachycardia:NSVT)といいます。

心室頻拍について

心室頻拍(VT)については別の記事で詳しく書いているのでそちらを参考にしてみてください。

VT(心室頻拍)とは?

NSVTの波形のポイント

画像引用:https://ameblo.jp/kaogo-saori/entry-12464552877.html
  1. 心室頻拍(VT)が30秒以内に自然に停止する。

SVTとNSVT危険なのはどっち?

①持続性心室頻拍(SVT)に関して

持続性心室頻拍(SVT)ではレートが早く血行動態が悪化するリスクがあるため、予後は良好とは言い切れません。このため再発を防ぐために植込み型除細動器(ICD)が勧められます。ちなみにカテーテルアブレーションは成功例でも長期予後的には不明点があり、また再発を認められる場合もあるため注意が必要です。

②非持続性心室頻拍(NSVT)に関して

非持続性心室頻拍(NSVT)では心疾患のない場合は予後が良好で、突然死の危険因子とはならないと言われています。ただし、心疾患が背景に隠れている場合は致死的不整脈へ移行し突然死のリスクがあるため注意が必要です。

これらより非持続性心室頻拍より持続性心室頻拍の方が危険な不整脈となります。

NSVTとショートランの違いは?

文献のより差はありますが下記のように分類されます。

PVCが2連発続く場合…PVCペア
PVCが3~4連発以上続く場合…ショートラン

PVCが3連発以上持続して発生する場合…VT

VTが30秒以内に停止するもの…非持続性心室頻拍(NSVT)
VTが30秒以上持続するもの…持続性心室頻拍(SVT)

定義だけで比較するとショートランとNSVTで被る部分があります。
ただし、医療の現場ではショートランというと3~5連発をイメージします。逆にNSVTというと何十秒かVTが持続した状態をイメージします。

なので、医師に報告する際も「PVCショートラン 25連発出現しました。」と報告するよりは、「20秒程度NSVTが出現しました。」と報告した方がよりわかりやすい報告となります。

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