心電図の勉強で最初に覚るべき波形4選!
心電図の勉強をしようと思った際に不整脈の種類が多すぎて、どこから勉強したらいいのか困ったことはありませんか?この記事ではこれから心電図の勉強を始めようとする看護師へ向けて絶対に覚えておいた方がいい不整脈を紹介します。
今回紹介する不整脈は①正常洞調律②心房細動(AF)③期外収縮(PVC、PAC)④致死的不整脈(VT、VF)の4つです。どれも心電図の勉強をするうえで避けては通れない基本的な波形になります。
1、正常洞調律
正常洞調律とはいわゆる心電図の正常な波形です。
つまり正常洞調律以外の波形を認める場合はすべて異常な波形となります。何事もまずは正常と異常の鑑別が必要になるので、正常洞調律は必ず覚えておく必要があります。
正常洞調律の波形のポイント
- P波、QRS波、T波が規則正しい
- PP間隔が一定リズム
- RR間隔が一定リズム
- PP間隔とRR間隔が一緒(PP間隔=RR間隔)
2、心房細動(AF)
心房細動とは心房で発生する不規則な興奮が、房室結節に無秩序に伝わることで起こる不整脈です。
加齢が原因として最も多く、4人に1人が心房細動になると言われています。
入院する患者は高齢者が多いため必然的に心房細動に遭遇する場面も多くなります。
心房細動(AF)の波形のポイント
- P波がない
- RR間隔が不整
- f波があらわれる
心房細動(AF)の危険度は?
心房細動(AF)自体は直接生命を脅かす不整脈ではないため緊急性はありません。
ただし、頻脈による動悸や胸苦がある場合や徐脈によるめまいなどの症状がある場合には対処が必要になるため医師へ報告する必要があります。
また心房細動は血栓を形成しやすいため塞栓症を起こすリスクがあるため抗凝固薬の内服を開始する必要があります。そのため初発の心房細動の場合には医師へ報告が必要です。
3、期外収縮
期外収縮とは正常な心周期より早いタイミングで電気刺激が出現し心臓が収縮する不整脈です。
電気刺激が出現した場所で分類され心室から出現した場合は心室期外収縮(PVC)、心房から出現した場合は心房性期外収縮(PAC)と呼ばれています。
期外収縮は健康な人でも24時間に1回は出現する不整脈ですが、出現頻度が多い場合や複数の箇所から電気刺激が発生する場合は致死的不整脈へ移行する可能性があるため注意が必要です。
心室期外収縮(PVC)の波形のポイント
- P波がない
- 正常より早いタイミングで幅広いQRS波があらわれる
- T波はQRS波と逆向きにあらわれる
心房期外収縮(PAC)の波形のポイント
- 正常より早いタイミングでP波が出現
- 早期に出現したP波の形が通常とは異なる
期外収縮の危険度とは?
心室期外収縮(PVC)、心房期外収縮(PAC)ともに健康な人でも1日1回は出現する不整脈のため緊急性はありません。
ただし、出現する回数が多い場合や連続して期外収縮が出る場合、形の異なる期外収縮が出ている場合などには致死的不整脈に移行するリスクがあるため医師へ報告が必要になります。
4、致死的不整脈
致死的不整脈とは名前の通り、死につながる可能性のある危険な不整脈です。
代表的な致死的不整脈として心室頻拍(VT)と心室細動(VF)の2つの不整脈があります。
どちらの不整脈も心臓の収縮機能を保つことができなくなり、心臓からの血流が停止することで最悪の場合は死に至ります。
心室頻拍(VT)の波形のポイント
- 幅広いQRS波が連続する
- P波がみえない
- 心拍数が100回/分以上
心室細動(VF)の波形のポイント
- P波、QRS波、T波が確認できない
- 不規則かつ150~300回/分の無秩序な心拍数を示す
致死的不整脈の危険度とは?
致死的不整脈は心室頻拍(VT)、心室細動(VF)ともにそのまま死に直結する不整脈のため緊急度は高く救命処置が必要になります。
発券時はすぐに胸骨圧迫を開始し、院内のプロトコールに従って看護師や医師を集める必要があります。
アイキャッチ画像:著作者:yanalya/出典:Freepik
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