2段脈、3段脈とは?|心電図のポイントや不整脈の種類についてわかりやすく解説!
2段脈、3段脈ってなに?
現場で働いていると「この人段脈だね」とか「2段脈だ」という場面に遭遇したことはないですか?特に新人看護師や心電図に慣れない部署から移動した看護師などは不整脈の意味がわからず困ったことがあると思います。
2段脈とは脈2拍に対して1回の期外収縮が繰り返し出現する場合、3段脈とは脈3拍に対して1回の期外収縮が繰り返し出現する場合をいいます。
段脈は危険な不整脈?
基本的に期外収縮は生命の危険が少ない不整脈と言われています。
2段脈、3段脈といった形の期外収縮も多源性や連続性のある複雑な期外収縮と比べると致死的不整脈に移行しにくいと言われているため生命の危険性は低いと考えます。
段脈の波形のポイント

2段脈の場合…
- 脈2拍に対して期外収縮が1回出現している

3段脈の場合…
- 脈3拍に対して期外収縮が1回出現している
段脈出現時の脈圧に関して

段脈出現時は期外収縮が出現しているところは1回心拍出量が小さくなっているため脈圧が小さくなります。そのため脈拍を測定すると洞調律の部分だけ触れるため脈拍数は半分になります。
期外収縮はどんな不整脈?
期外収縮とは基本の心周期より速いタイミングで心房または心室で興奮が出現し心臓が収縮する不整脈です。心房で興奮が出現した場合を心房期外収縮(PAC)、心室で興奮が出現した場合を心室期外収縮(PVC)といい区別しています。
心房期外収縮(PAC)とは
本来は洞結節から興奮が出現しますがPAC(心房期外収縮)の場合、心房内で興奮が出現し、本来のルートから伝わらないためP波の形が異なります。
そのためP波の形状は興奮の出現が洞結節から離れるにつれて洞調律時のP波と異なります。
心房期外収縮(PAC)の波形のポイント

- 洞調律よりP波が早く出現する
- 早期に出現したP波の形が異なる
心室期外収縮(PVC)とは
心房の収縮を待たずに心室が興奮するため、ほとんどの場合P波を伴わないQRS波が出現します。
また心室内への刺激が本来のルートから伝わらないため、心室全体に伝わるのに時間がかかってしまうことからQRS波の幅は広くなります。
心室期外収縮(PVC)の波形のポイント

- P波は確認できないことが多い
- 正常より早いタイミングで、幅広いQRS波(0.12秒以上)が あらわれる
- T波はQRS波と逆向きにあらわれる
期外収縮については詳しくは別の記事でも紹介しているためぜひ参考にしてみてください。
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