AFL(心房粗動)の心電図の特徴|通常型と非通常型の違いとは?
AFL(心房粗動)は4:1や2:1などであれば緊急度は高くありませんが、1:1の場合は緊急度が高くすぐに治療を開始しなければいけない不整脈です。このサイトでは心電図が苦手な人にもわかりやすい波形の読み方の解説AFLを見つけた時の対応、治療方法について解説していきます。
AFL(心房粗動)とは?
心房が激しく興奮することによる生じる不整脈です。三尖弁の周囲を旋回するリエントリーによるものが最も多く(通常型心房粗動と呼ばれる)、心電図ではP波の変わりに鋸歯状(ノコギリの歯のような形)のF波(粗動波)があらわれます。
通常型心房細動ではF波とQRS波は規則的な波形を示すことが多く、4:1や2:1など偶数伝導比を示すパターンが最も多いといわれています。 4:1や2:1 の AFL(心房粗動)であれば危険性は高くない不整脈といわれています。
ただし、F波とQRS波の割合が1:1の場合は異常な興奮がすべて心室に伝わってしまうため、高度な頻脈となるため危険な不整脈です。血圧低下や失神などの可能性が高くなるため注意が必要です。
AFL(心房粗動)波形のポイント
①P波の変わりにF波が出現する
②(通常型心房粗動の場合)RR間隔は規則的
AFL(心房粗動)を見つけたときの対応
AFL(心房粗動)は突然始まり長時間続くことが多いですが、AF(心房細動)と比べると慢性化することは少ないと考えられています。動悸、息切れ、めまい、胸部不快などの症状がある場合はベッドへ臥床させて安静にします。
モニター心電図上でF波が認められない場合、心房粗動を見逃してしまうことがあるため、心拍数が150回/分以上の頻脈は12誘導心電図を実施して確認する必要があります。
4:1や2:1のAFL(心房粗動)の場合は緊急性が低いため焦らず対応して問題ありません。1:1の場合は緊急性が高いので医師に報告し、電気除細動をいつでも実施できるように準備を行い早急に対処していく必要があります。
AFL(心房粗動)の治療
血栓の予防に関して心房粗動は心房細動ほどではないと推定されているが、心房内に血栓ができ、それが剥がれ脳梗塞を発生することがあります。ワルファリンなどの血栓予防は必要です。
1:1のAFL(心房粗動)の場合は緊急性が高いため電気除細動を実施します。また根治治療としてはカテーテルアブレーション治療が適応となります。
通常型と非通常型の違い
1、心房粗動(通常型)
・電気信号が三尖弁の周囲を反時計方向に旋回
・波形はⅡ、Ⅲ、aVFで陰性のF波が出現
2、心房粗動(非通常型)
・電気信号が三尖弁の周囲を時計方向に旋回、もしくは僧帽弁の周囲を旋回
・波形はⅡ、Ⅲ、aVFで陽性のF波が出現
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