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ショックで血圧が下がるのはなぜ?

ショックで血圧が下がるのはなぜ?

動脈と静脈の構造について

私たちの身体で血流は心臓→大動脈→動脈→細動脈→毛細血管→静脈→大静脈という順番で流れています。なかでも体血管抵抗に影響するのは主に細動脈を中心とした動脈側になります。

血流量の割合

動脈壁には平滑筋が豊富にあるため必要に応じて血管をしめることができます。正常時には細動脈の抵抗を変化させることで、体はそれぞれの臓器にどれだけ血液を送るか調整しています

普段は全身の血流量の対して脳は15%、腎は25%、消化管は25%、骨間筋は25%、皮膚は5%の血流量が各臓器へ流れています。

一方で静脈には弾性組織が少なく、平滑筋も少ないため抵抗は弱い構造になっています。しかし、この伸びやすい構造を活かして静脈の容積は大きく、循環血液量の60~80%は静脈のなかにあります

血圧が下がる要因はなにか?

血液循環の構成要素
画像引用:https://www.slideshare.net/hirooshiojiri/ss-127335590

血液循環は①ポンプ機能、②血管抵抗、③循環血液量の3つの要素から構成されており、どれかが欠けることで血液循環効率は低下しショック状態となります。

1、ショックの種類

血液循環 ショック状態
画像引用:https://www.slideshare.net/hirooshiojiri/ss-127335590

ショックは大きく分けて①循環血液量減少性ショック、②血液分布異常性ショック、③閉塞性ショック、④心原性ショック閉塞性ショックの4つに分類されます。

①循環血液量減少性ショック

循環血液量減少性ショックは出血により循環血液量が危機的な減少をすることで生じます。

循環血液量が低下することで静脈還流(前負荷)が減少すると心室が充満せず、その結果一回拍出量(ポンプ機能)が減少し循環不全となります。

②血液分布異常性ショック

血液分布異常性ショックは循環血液量は正常ですが、動脈または静脈の拡張により相対的に血管内容量が不十分になることで、血管抵抗が低下しショック状態となります。

原因としてアナフィラキシーショックや細菌性感染症による敗血症性ショックなどがあげられます。

③閉塞性ショック

閉塞性ショックとは何らかの原因により全身から心臓に戻ってくる血流量が減少すると、心臓から送り出せる血液が少なくなってしまうことポンプ機能の低下)でショック状態となります。

閉塞性ショックの原因としては肺塞栓症、心タンポナーデ、緊張性気胸などがあります。

④心原性ショック

心原性ショックはポンプ機能の低下により臓器が必要とする血流量が供給されないことでショック状態となります。心ポンプ機能の低下により灌流圧が低下し低酸素血症になると、全身及び心筋組織の循環不全、低酸素化が生じアシドーシスが生じます。

心ポンプ機能不全の原因は左室収縮不全と拡張不全の2種類が関与しています。また心原生ショックに陥った患者の死亡率は70~80%に達するといわれており、循環器疾患の治療上大きな問題とされています。

2、ショックの原因で分類

血圧構成式

体循環は平均動脈圧と中心静脈圧の圧較差で起こっています。式で表すと平均動脈圧-中心静脈圧=心拍出量×血管抵抗となります。

この式からわかるように血圧(平均動脈圧)が低いということは式の右辺である心拍出量か血管抵抗が低いか、またはその両方が低い場合をさしています。

先ほど血液循環は①ポンプ機能、②血管抵抗、③循環血液量の3つの要素から構成されていると紹介しました。

その3つの要素でショックを分けると血液分布異常性ショックのみ血管抵抗の低下によりショックとなり、それ以外の残り3つは心拍出量の低下(ポンプ機能の低下)によりショック状態となります。

    ショックの分類       心拍出量    血管抵抗  
血液分布異常性ショック
循環血液量減少性ショック
心原生ショック
閉塞性ショック
ショックの分類と心拍出量、血管抵抗の変化              

血液分布異常性ショックで血圧が低下する理由

血液分布異常性ショックでは血管が拡張します。すると血管抵抗が低下するため血圧が低下します。

さらに血液分布異常性ショックでは血管透過性の亢進がおこります。簡単にいうと血管が漏れやすくなっている状態で、漏れた水分は浮腫として血管の外に存在します。そのため血管内の循環血液量は低下しがちになります。

このことから敗血症の患者さんに浮腫があるからといって循環血液量が多いわけではないことがわかります。この2つの要因が重なり血液分布異常性ショックでは血圧が低下します。

その他のショックで血圧が低下する理由

循環血液量減少性ショック、心原生ショック、閉塞性ショックこれら3つのショックの特徴は血液量減少性ショックと異なり心拍出量が低下していることがあげられます。

身体では血圧をなるべく保つために血管抵抗を上げます(血管をしめる)。この働きで末梢の血管がしまるためショック状態の際は四肢冷感・チアノーゼが出現します。

アイコンキャッチ画像:Master1305 – jp.freepik.com によって作成された man 写真

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