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新人看護師でもわかる!血液ガスの酸塩基平衡の読み方

CO2

新人看護師でもわかる!血液ガスの酸塩基平衡の読み方

血液ガス分析検査とは?

血液ガス分析検査はガス交換酸塩基平衡の指標となります。また数分で検査結果がでるため超急性期の場面では電解質バランスを把握するために活用されます。

血液に酸素(O₂)、二酸化炭素(CO₂)、窒素(N₂)などのガスが溶け込んでいます。これらのガスに加えpHやHCO₃⁻(重炭酸イオン)などを測定することにより、肺や心臓、腎臓などの臓器の体液の状態を知ることができます。

         検査でわかる内容
pH酸性かアルカリ性かを示す
PaO₂
(動脈血酸素分圧)
動脈血液中の酸素と統合しているヘモグロビンの割合を示す
SaO₂
(動脈血酸素飽和度)
酸素がヘモグロビンと何%結合しているのか示す
PaO₂と相関している(酸素解離曲線)
PaCO₂
(動脈血二酸化炭素分圧)
肺(呼吸性)による酸塩基平衡の調整因子
HCO₃⁻
(重炭酸イオン)
腎(代謝性)による酸塩基平衡の調整因子
BE
(ベースエクセス)
塩基(HCO₃⁻)の過不足を示す
Lac
(乳酸)
酸素供給が不十分な条件下で、組織が産生するグルコースの代謝産物。
肝臓で代謝され、腎臓から排泄される。
AG
(アニオンギャップ)
通常の測定では検出されない陰イオン
増加時は代謝性アシドーシスが考えられる
※計算式
Na⁺+Cl⁻-HCO₃⁻=AG

動脈血液ガスと静脈血液ガスの違いとは?

動脈血液ガスと静脈血液ガスの大きな違いはCO₂分圧とO₂分圧の違いにあります。呼吸機能の状態を知るためには動脈血液ガス分析が必要となります。

ただし電解質やベースエクセス(BE)を知りたい場合は動脈、静脈に大きな差はないため酸塩基平衡の状態だけ知りたい場合は静脈血液ガス分析でも可能です。

酸塩基平衡の見方

酸塩基平衡

1、pHをみる

私たち人類の体内はpH7.35~7.45で保たれています。

pHが7.35より低くなると酸性に傾いており(アシデミア)、pHが7.45より高くなるとアルカリ性に傾いている(アルカレミア)ことを表しています。

2、pHの変化の原因が呼吸性か代謝性かみる

体内にはpHを調整する因子が「酸であるCO₂」「酸を中和するHCO₃⁻」の2つ存在します。

Co₂が原因の場合

CO₂が増えると体内で酸の割合が増えるため、酸性が優位となりpHは酸性(7.35以下)になります。このようにCO₂が原因で酸性に傾くことを呼吸性アシドーシスと言います。

反対にCO₂が減ると体内で酸の割合が減るため、アルカリ性が優位となりpHはアルカリ性(7.45以上)になります。このようにCO₂が原因でアルカリ性に傾くことを呼吸性アルカローシスと言います。

HCO₃⁻が原因の場合

HCO₃⁻が減ると体内で酸の割合が増えるため、酸性が優位となりpHは酸性(7.35以下)になります。このようにHCO₃⁻が原因で酸性に傾くことを代謝性アシドーシスと言います。

反対にHCO₃⁻が増えると体内で酸の割合が減るため、アルカリ性が優位となりpHはアルカリ性(7.45以上)になります。このようにHCO₃⁻が原因でアルカリ性に傾くことを代謝性アルカローシスと言います。

3、代償変化をみる

酸塩基平衡 代償

先ほども説明したように私たち人類の体内はpH7.35~7.45で保たれています。例えば何らかの異常によりpHが7.25に変化した場合、体内ではpHを7.35~7.45に戻そうとする力が働きます。この変化を代償変化といいます。

呼吸性異常の場合

呼吸器に異常が起こり呼吸性アシドーシスになっている場合は、呼吸性調整でpHを戻すのは困難です。そのため代謝性調整が行われます。

呼吸性アシドーシスの場合(酸に傾くCO₂が多い)は、代償変化として酸を中和するHCO₃⁻が増えます。逆に呼吸性アルカローシスの場合(酸に傾くCO₂が少ない)は、代償変化として酸を中和するHCO₃⁻が減ります

代謝性異常の場合

代謝で異常が起こり代謝性アシドーシスになっている場合は、代謝性調整でpHを戻すのは困難です。そのため呼吸性調整が行われます。

代謝性アシドーシスの場合(酸を中和するHCO₃⁻が多い)は、代償変化として酸であるCO₂が増えます。逆に呼吸性アルカローシスの場合(酸を中和するHCO₃⁻が少ない)は、代償変化として酸であるCO₂が減ります

実際の血液ガスのデーターをもとに考えてみよう

検査項目 結果   基準値
pH7.257.35~7.45
PaO₂28.935~45mmHg
PaO₂125.280~100mmHg
HCO₃⁻16.822~26mEq/L

1、pHをみる

pHに着目しアシドーシスかアルカローシスを判断します。今回は7.25と7.35以下のためアシドーシスに傾いていると判断します。

2、pHの変化の原因が呼吸性か代謝性かみる

酸塩基平衡

アシドーシスに傾く要因として体内でCO₂が多い、もしくはHCO₃⁻が少ない状態であることが考えられます。今回のデーターではPaCO₂=28.9、HCO₃⁻=16.8となっていることから体内ではCO₂、HCO₃⁻共に少ない状態にあることがわかります。

このことからアシドーシスに傾いている要因はHCO₃⁻が少ないことが原因になっており、代謝性アシドーシスの状態になっているということがわかりました。

3、代償変化をみる

今回のデーターではPaCO₂=28.9と体内でCO₂が少ない状態にあるということがわかります。

これはCO₂(酸)を体内で減らすことでアルカリ性に傾こう(pH7.35~7.45に近づこう)としている動き、つまり代償変化があるということがわかります。

以上のことから今回の血液ガスのデーターは代謝性アシドーシス呼吸性代償ということがわかります。

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